【Nurseship】第25号 臨床研究の登録制度!

∵・∴・∵〜ナースの明日を輝かす∵・∴・∵・∴・∵・☆★
2008/11/14 25号 輝け041 Crews!!
★☆∴∴・∵・☆・∵・∴・・☆・・∴・∵・⇒執筆:aye aye☆★
http://www.mediship.co.jp

☆ナースの明日を輝かす★週刊 Nurse Ship
このメールマガジン(Nurse Ship)は、医療という大海原に、ナースの
可能性を広げるために創られたものです。
看護師による看護師のためのメルマガを毎週発行!!
是非とも、一緒に自分たちの可能性を広げていきましょう!

現在、Nurse Shipは、「起業」「進学」「臨床」「研究」「留学」「子育て」など
特徴を持った乗組員が4名おり、毎週一人ずつ担当させて頂きます。
第25号は、aye aye こと 友滝が担当です!

☆☆☆Nurse Ship☆ナースの明日を輝かす☆☆☆

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今週号、発行が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

すっかり寒くなってきて、もうあっという間に12月の足音が近づいてる
気がします。みなさま、風邪などひかれてませんか?

冬の寒さに負けずあったかいハートで?!今日もNurse Ship出航です☆


○●○●○- INDEX ---------------------

1.研究を登録?! 〜日本の場合〜
2.ヘルシンキ宣言の改訂
3.事前登録と研究倫理
4.出版バイアス
5.あとがき

--------------------------------○●○●○



1.研究の登録?! 〜日本の場合〜

看護ではまだなじみが少ないかも?しれない「臨床研究登録」

これは、研究を計画して実際に対象者を募集するときには、
事前に「登録システム」に登録して、公表しましょう!という
ものです。

日本の場合は、医師が実施する医学研究やPhblic Healthの意味
あいが強い疫学研究などが主な対象となって登録するシステムが
いくつかあります。
その中でも世界的に認められているシステムが、医学情報 大学病院医療
情報ネットワーク UMIN の臨床試験登録システム UMIN-CTR です。

http://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm

このシステムに登録されている研究は、誰でも検索することが
できます。
https://center.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=search&action=input

例えば自由記載のところで「看護」と入力すると、2008年11月12日現在で
10件ヒットします。

このUMIN-CTRは、介入研究でも観察研究でも登録は可能ですが、
まだ介入研究向けなので、観察研究の場合には登録しようとしたときに
記載しにくいところがあります。
将来的には観察研究でも使いやすくなるように改訂していくみたいです。

なぜ「世界的に認められている」ことが重要かというと、例えば、
海外の主要医学雑誌では、事前に臨床試験登録していない研究論文は
受け付けない、というところもあります。
また登録するシステムも、公認されたシステムでなければならない、
という規定があります。
日本の場合は、UMIN-CTRが公認されているんですね☆



2.ヘルシンキ宣言の改訂

今回、なぜこのテーマを取り上げたかというと・・・
先日、ヘルシンキ宣言という研究倫理に関する規定の改訂が
行われました。

ヘルシンキ宣言は、「ヒトを対象とする医学研究の倫理的
原則」と言われていますが、医学に限らず、幅広く保健・
医療、そして看護の研究でも遵守すべき宣言のひとつです。

何が変わったかというと、今回の改訂事項のひとつに、
新たに次のような一文が加わりました(19条)。

Every clinical trial must be registered in a publicly accessible
database before recruitment of the first subject.

これは、すべての臨床研究は対象者をリクルートする前に、
事前に臨床研究登録システムに登録しなさい!というものです。

具体的には、研究倫理や研究成果の公表の観点から、研究を
開始する前に

「『私たちはこういう研究をします!』ということを宣言しなさい!」

ということです。


*ちなみに、ヘルシンキ宣言の日本語訳等に関しては日本医師会の
websiteが充実していますので、ぜひご参照ください!

http://www.med.or.jp/wma/helsinki02_j.html
http://www.med.or.jp/wma/helsinki08_j.html



3.事前登録と研究倫理

研究を行う上では、「研究対象者の人権を尊重した研究を
実施する」ことが何よりも優先されます。
このことを「倫理」として、さまざまな文書で規定されて
います。

研究倫理は、介入研究(研究対象者に、人為的に何かしらの
介入を行う研究)かどうかに関わらず、守るべきことです。
看護研究の場合には、介入研究よりも調査や観察研究も多い
かもしれませんが、その場合にも十分な配慮が必要です。

その枠組みのひとつの形が、みなさまにもおなじみの
「研究参加時のインフォームド・コンセントの取得」です。

では、どうして事前登録と研究倫理が関係するのか???

研究成果の公表に関していえば、例えば、結果が悪かったら論文にしない、
学会で発表しない・・・となると、確かに研究者にとっては自分の期待に
沿わない結果は公表したくないかもしれません。
でも、そこに隠されている事実が、対象者に及ぼした何かしらの不利益も
含まれていたら、どうなるでしょうか。

例えば、もし、似たような研究をしようとする人が他にいたとき、
そして似たような研究を繰り返し、そのことによって研究対象者に
何かしらの不利益が被られてしまったら・・・

もし先行研究から「こういう研究だと、うまくいかない。そして、対象者に
このような不利益をもたらしてしまう」ということがわかっていれば、
同じ悲劇は防げるかもしれないのです。

「倫理」と一言でいっても、インフォームド・コンセントのことだけを
言うのではないんですね。



4.出版バイアス

もしかしたら馴染みが少ない用語かもしれませんが、研究の上で考える
バイアスのひとつに「出版バイアス」というものがあります。

これは、3でもあったように「都合の悪い結果が隠される」ことによって、
いい結果の論文が世間にでることで、結果的に、真実とは異なる解釈が
なされることです。

複数の研究結果を統合して効果を推定する「メタアナリシス」という手法を
用いた研究がありますが、とくにこのような場合の結果の解釈には、
出版バイアスへの注意が必要です。


ただ、このような堅苦しい専門用語たちをとっぱらっても、
日常生活で「これってなんかいいことばっかり言って、怪しくない?」
っていうのと、直感的には同じです♪


ということで、いろ〜んな意味をもって「都合の悪い結果は隠す」ということを
防ぐためにも、事前登録は必要とされています。



5.あとがき

今回のNurse Shipでは、「研究倫理」で一般的にイメージされやすい
ものとは違う角度からお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか?

このような中でも、やはり「先行研究って大事」だと思います。
先行研究って、研究の中でいう「歴史」みたいなものかもしれません。
先輩たちが残してくれたものの中から、次によりよい成果を生み出し
ていったり、もしくは、過去の失敗を繰り返さないためにも。

となると、まずは先行研究を読む!というのが大事なので、
となると、先行研究を探せなくては!!

ここで「文献を検索する」というスキルが必要となります。

次回はこの「文献検索」をテーマにしたいと思います♪



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  1. 2008/11/15(土) 18:04:50|
  2. 看護つれづれ
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